百舌鳥八幡宮のふとん太鼓
ふとん太鼓とは背の高い神輿で、大阪府河内・泉州や、兵庫県播磨・淡路周辺で担がれる太鼓台のことです。朱色の巨大なふとんを神輿の屋根にあたる部分に逆ピラミッド型に積んでいる点に特徴があります。上部が張り出したふとん太鼓が担かれて揺れながら前に進む、ダイナミックな祭なのです。
ふとん太鼓とは背の高い神輿で、大阪府河内・泉州や、兵庫県播磨・淡路周辺で担がれる太鼓台のことです。朱色の巨大なふとんを神輿の屋根にあたる部分に逆ピラミッド型に積んでいる点に特徴があります。上部が張り出したふとん太鼓が担かれて揺れながら前に進む、ダイナミックな祭なのです。
百舌鳥八幡宮のふとん太鼓
今回紹介する堺市百舌鳥(もず)八幡宮のふとん太鼓は、この地域の祭の中でも最も規模の大きいものの一つです。百舌鳥八幡宮のふとん太鼓行事は、毎年旧暦8月15日、例大祭前後の土日に開催されます。
百舌鳥八幡宮は上代、百済から仏教の伝来した欽明天皇の時代に創建されたと伝わるたいへん歴史のある神社です。約一万坪という広大な境内の中には、大阪府の天然記念物に指定されている樹齢約800年の巨大なクスノキが茂っています。
神輿の内部は太鼓台となっていて、ここに4人から8人ほどの少年たちが乗り込んで太鼓を打ち鳴らします。そして太鼓台の上には5枚の朱色のふとん飾りがあります。この上部には年長の青年がいて、威勢よく担き手たちに声を張上げます。太鼓台を支える担き手は、多いときには70人ほどにもなるのです。
また、太鼓台にはいくつもの房がぶら下がっているのですが、この房をいかに大きく揺らすかが、各町の勢いを競う祭の見せ場になっています。神輿を担ぐ男たちの力強さとは対照的に、ふとんの周りをぶらぶらと左右に揺れる房の姿は、どこかユーモラスなおかしみを感じさせます。
なぜ「ふとん」? ふとん太鼓の由来
ところで、なぜ「ふとん」なのか?という疑問です。
神様へ奉納する神輿がなぜふとんなのか?その由来については諸説ありますが、この行事が始まった江戸時代中期、綿入りのふとんは庶民にとって大変貴重なものでした。神様が神輿で各地を回る道中、お旅所で休まれる際に、氏子が寝具としてふとんを運んで使って頂いたのが始まりだと言われています。
百舌鳥のある堺にもほど近い大阪府河内地方は、江戸時代からはじまる河内木綿の産地。地元でとれた一番貴重なものを神様に捧げたい、そんな思いからこのお祭も始まったのかもしれません。
歴史を感じる街、堺
ふとん太鼓の催される百舌鳥八幡宮の周辺には、世界最大の墳墓である仁徳天皇陵(大仙古墳)をはじめとする巨大な古墳が数多く点在していて、これらの遺跡は「百舌鳥・古市古墳群」として2019年ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
仁徳天皇陵は宮内庁の管理となっているため実際に古墳の中に足を踏み入れることは叶いませんが、周辺にはビジターセンターがあり、古墳群の歴史について学習することが出来ます。
「東洋のヴェニス」として栄えた港町としての魅力と併せて、古代からの堺の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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名称
百舌鳥八幡宮のふとん太鼓
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開催月
9月
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開催場所
百舌鳥八幡宮
〒591-8037 堺市北区百舌鳥赤畑町5丁706番地 -
最寄り駅
●JR阪和線百舌鳥駅下車 徒歩10分
●南海高野線百舌鳥八幡駅下車 徒歩10分
●地下鉄御堂筋線・南海高野線中百舌鳥駅下車 徒歩15分 -
主催者
百舌鳥八幡宮
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関連情報
祭りの記録
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