秩父夜祭 ぼんぼりの明かりと冬の花火
12月の初旬、ぼんぼりの明かりで照らされた美しい装飾の曳山とともに、スターマインをはじめとする冬の花火をを楽しむことが出来ます。
12月の初旬、ぼんぼりの明かりで照らされた美しい装飾の曳山とともに、スターマインをはじめとする冬の花火をを楽しむことが出来ます。
秩父地方ならではの文化を生かした曳山
かつて蚕(かいこ)を飼って生糸を紡ぐ養蚕が盛んだった秩父地方。武蔵国の北西端に位置した秩父は、門前町・市場町・宿場町として日本の各所から人が集まるヒト・モノの一大集約地となりました。そして江戸時代になると秩父神社の霜月大祭(旧暦11月)で、絹織物を売る「絹大市(きぬのたかまち)」が立ちました。これが秩父夜祭のルーツといわれます。明治になって祭の開催時期は12月初旬となり、現在に至っています。
秩父夜祭に繰り出される6基の山車には2つの種類があります。それが「笠鉾」と「屋台」と呼ばれるものです。
背の高い「笠鉾」は、2基。そのひとつ中近(なかちか)笠鉾は珍しい形式で、八棟造(やつむねづくり)、三層の花笠、雲形のせき台、万燈にしめをおく鉾と屋台の複合体で屋台笠鉾とも呼ばれます。屋形の頂上からは365枚の紙を12垂れに切り、前面に榊が添えられており、一目でそれとわかる特徴的な装飾になっています。
豪華な彫刻に、美しい水引幕が張られた「屋台」は4基。なかでも最も大きい上町(かみまち)屋台に見られる軒支輪(のきしりん)の雲に遊ぶ鶴の姿態は様々な変化に富み屋台彫刻の逸品といわれており、町を練り歩く光景は迫力を感じさせます。
祭のクライマックス 団子坂の曳き上げ
秩父夜祭のクライマックスとなるのは大祭、12月3日の夜に行われる「団子坂の曳き上げ」です。
夕刻、日が落ちる刻限になると総勢200人にも及ぶ御神幸行列が秩父神社を出発。そのあとを笠鉾と屋台が進みます。夜になって山車にぼんぼりが灯り、いよいよ華やかさを増していきます。町にはお囃子と掛け声が響きわたり、人々の熱気に祭はいよいよ盛り上がっていきます。そして御旅所の手前にある団子坂の曳き上げです。斜度25度もの急坂を曳き上げるために、曳き子たちが力を振り絞ります。笠鉾と曳山は、曳き子たちによってゆっくりと坂を上ってゆきます。
このあいだに打ち上げられる花火も秩父夜祭ならではの光景で、羊山公園から次々に上がる花火が屋台や笠鉾を照らし出します。肌を刺すような冷たい空気のなかで見上げる冬の花火は、祭の熱気とともに、秩父祭の夜の思い出をあなたの胸に刻みつけてくれることでしょう。
必見! 秩父のレトロな建築群
秩父市は、渓谷をはじめとする自然が豊かなことで知られていますが、歴史を感じさせるレトロな建物が数多く残っていることでも有名です。
町の真ん中にある秩父神社への参道である「番場通り」とその周辺には、大正後期から昭和初期にかけて建てられたモダンな建物が数多く残されています。旧片山医院、小池煙草店、旧大月旅館別館と、ハイカラ・モダンな洋風建築が立ち並ぶ中でも、昭和2年に開業したパリー食堂は今でも営業中で、オムライス・ソースかつ丼といった昭和レトロなメニューを楽しむことができます。休日はいつも行列のできているパリー食堂ですが、その懐かしい味わいと内装は、一度訪れてみる価値があります。
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名称
秩父夜祭
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開催月
12月
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開催場所
秩父神社
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最寄り駅
秩父鉄道秩父駅より徒歩3分
西武秩父線西武秩父駅より徒歩15分 -
主催者
秩父神社、秩父夜祭観光祭実行委員会
祭りの記録
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